pit house

2000
住宅
兵庫県加東郡社町
鉄骨2F建
プロデュース:株式会社 夢建人
施工:株式会社 夢建人

関西電力 2000年E・家・暮らし住まいの設計コンテスト 佳作
2002/12 Memo 男の部屋 掲載

自然の中に移住する 自然の中に移住するために作られた家である。
住人は40代夫婦+1匹の犬。
仕事-夫婦とも普段は家で仕事をしており、店舗を持たない商売をしている。
趣味-バイク(現在6台所有)。中国道の滝野・社インターより車で15分に位置するこの敷地は、ツーリングする上でも便利な場所で、高速道路からここまでは緑の中を走る快適なコースである。

この壮大な自然の中では、都市に建つ住宅とは違い、自然は<地>であり、建築は<図>である。
つまり、自然を破壊して<オブジェクト>として建築を置くことになる。限られた予算内では、竣工時に工事前の自然の状態に戻すことは難しい。そこで、時間の経過とともに自然の中に埋没 していくこと、施主自らの手による自然の回復を考えた。与えられた敷地が傾斜地であるため、年々緑に浮かび、やがて沈んでいく姿を見ることができるだろう。

屋内に入ると、<オブジェクト>だった建築は、反転して<地>となり、人が<図>となる。
つまり、建築は、人の生活を自然より保護しながら、自然の中央に浮かべる殻として、存在する ことになる。
たとえばLDKでは、屋内に居ながらも自然の真中に位置する自分を認識でき、自然 と同化するための媒体として建築が存在していることがわかる。

さらに、建築中央部に木製の壁を挿入・構成した。これはプライバシーを守る壁面であり、生活 動線を導くためのものでもある。
上階ではBOXとして構成し、その外側のLDKから、プライバシー空間<水回り(WC、浴室、洗 面所)>を分ける。BOX上部の天井面は、すべてトップライトであり、自然(外部)に抜ける口 である。換気を十分にとり、自然光を浴びることができる温室空間である。
下階ではBOXがほどけて壁面−各個室(寝室、仕事部屋、予備室、和室)の間仕切壁−となる。
階段は木製BOXの内部と外部の2ケ所にあり、いずれも、木製の壁面に沿って設けられている。
BOX内部の階段はプライベ−トスペースをつなぐものである。外部のそれは、上階の屋内のLDK と下階の屋外のLDK(テラス)を結ぶ。外部のLDKでは、バ−ベキュ−パーティーができ、流し 台・TVが備え付けられている。


撮影:市川かおり、植田三代治